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プラクティス【practis】

内視鏡洗浄・消毒 File No.4

 

 阪急・宝塚南口駅を降りると、正面に伝統を誇るクラシックな宝塚ホテル、その左に目を向けると対照的にモダンな4階建てのビルがあります。2001年3月にオープンした複合診療施設『宝塚メディカルスクウェア(TMS)』です。

itoyoshimine1 その1階にある谷村外科胃腸科医院を訪問しました。消化器内視鏡による検査と治療を中心にした診療所で、院長の谷村先生と内視鏡技師のお二方からお話をうかがってきました。

左)内視鏡技師主任 吉峯みゆきさん

右)内視鏡技師伊東百合子さん

内視鏡がメインの診療所だから、感染は絶対に起こせない。

だから全症例同じレベルの消毒を実施しています。

――洗浄・消毒の方針を教えてください。

吉峯 技師の役割として最も重視していることの一つが洗浄・消毒です。当然ガイドラインを遵守した上で、患者さんに「感染は絶対に起こりません」と言い切れるレベルでおこなっています。

伊東 内視鏡診療がメインの診療所ですから、感染で問題が起きることは許されません。たとえば自分自身や家族が安心して検査を受けられるかどうかは大切な基準だと思います。

――洗浄・消毒方法についてどんな点に留意されていますか?

伊東 消毒回数をカレンダーにつけており、自動洗浄器の回転数にはいつも注意して、薬液交換をおこなっています。何回目でテストストリップを使って有効濃度を判定するか、次回は何日に交換するか、といったことをお互いに確認し合っています。

吉峯 安全のために記録は重要です。将来は、個々の患者さん毎、スコープ毎に洗浄・消毒記録をつけていくことも検討したいと思っています。

 

スタラール製剤による消毒時間短縮で、

スコープを追加購入する必要がなくなった。

photo01photo02吉峯 変更した一番大きな理由は、同等以上の消毒効果があって、消毒時間が5分へと短縮できたことです。自動洗浄器を使って、1回当たり27〜28分かかっていましたが、22〜23分になりました。

伊東 上部内視鏡についていえば、2つのブースを使って、一人15分枠で予約検査しているのですが、3本のスコープでは、4人目以降は洗浄・消毒が完全に終わらず、予定通りの時間に開始できないことがしばしばありました。「ただいま消毒中ですから、5分待ってください。」と患者さんにご協力を求めていましたから、それが解消でき、円滑に検査ができるようになりました。

吉峯 5分でも待っていただくのは忍びないので、スコープをもう1本追加することも検討していましたから、助かりました。

――消毒時間以外は、グルタラール製剤を使っていたときと変わりませんか?

伊東 自動洗浄器もそのまま使い、手順も変わりません。グルタラール製剤の場合、自動洗浄器室が密閉されており、換気をおこなってもどうしても臭いがしていましたが、それが無くなりました。それに、収納庫を開けた時の消毒液臭もしませんね。

――消毒・洗浄の担当は決めていますか?

吉峯 特別に決めていません。お互いに洗浄・消毒方法は熟知しており、状況を見ながら臨機応変に対応しています。伊東さんは、内視鏡技師会の委員として活躍されているなど経験も豊富ですから、それぞれの裁量に任せることができます。

内視鏡の症例間を含めた、予備洗浄・高度作用消毒は基本

フロア全体を内視鏡診療室にレイアウト

――単独の診療所から、複合診療施設の宝塚メディカルスクウェア(TMS)にされた理由は何ですか?

tanimura谷村 それまでは、いろんな疾患の患者さんに対応しなくてはなりませんでしたが、ここでは専門の消化器診療に専念できます。TMSにして、大学の同窓生で気心の知れた循環器専門医と整形外科専門医の先生と3人でいっしょに、患者さんをトータルに診るグループ診療が実現できたと思っています。たとえば、モニター観察しながら内視鏡診療をおこなっているときに不整脈が出たら、直ちに循環器の藤本先生に電話をして指示を仰ぐことができます。

――内視鏡検査室のレイアウトにも配慮されたようですね。

谷村 フロア全体を内視鏡診療室にしました。患者さんが診察され検査を受けて、回復室で休まれ、最後にご説明させていただくまで回廊方式でまわれるようにレイアウトしています。内視鏡検査室だけでも、いろいろシミュレーションを重ねて設計しました。レイアウト設計の原点は、自分が被検者だったら、どんな環境で内視鏡検査を受けたいか、ということです。

ドクター、技師、看護師のチーム医療が事故防止につながる

――スタッフも動きやすいレイアウトになっていると思いますが、スタッフ体制で留意されていることはありますか?

谷村 事故防止に最も留意しています。そのためには、スタッフそれぞれの役割を明確に分け、お互いに協力してチーム医療を実現することだと思います。たとえば、看護師さんと技師さんは、兼任せずに、それぞれが自分の領域で切磋琢磨してレベルアップをはかってほしい。レイアウトでも、ステーションサイドは、看護師さんのエリア、シンクサイドは技師さんのエリアとしています。

――内視鏡の消毒剤をフタラール製剤に変更されたのは、先生のご提案ですか?

谷村 いいえ、技師さんからの提案で、確実に消毒ができ、時間も短縮できるということで決めました。内視鏡診療での安全性の基本は洗浄・消毒ですから、より良いものが出れば直ぐ採り入れる方針です。

――患者さんから、内視鏡の安全性について問われることはありますか?

谷村 患者さんの意識は高くなってきており、「感染の心配はないか?」「安全か?」といった質問をよく受けますね。そんな場合、確実な洗浄・消毒を実行している自信がありますから、はっきり回答できます。診療所だからこそ、感染予防は最も重要な課題で、安全面で高いレベルを保つことは非常に重要です。内視鏡室のレイアウトや人員配置、症例間も含めた適切な洗浄・消毒を検討し続けた結果、現状のシステムとして機能しています。今後も安全かつ効率的な診療を続けていくために努力していきたいと思います。


谷村外科胃腸科医院 

兵庫県宝塚市南口1-8-26TMSビル 

● 院長:谷村雅一 

● 外来患者数:1日平均100人

 

[消化器内視鏡/検査・診療の概要]

● 年間検査数:3,371件 

 内訳:上部消化器/2,100件、下部消化器/1,204件、 EHL/ 63件、 PEG/ 4件

● スコープ所持本数:7本 内訳:上部消化器用/3本、下部消化器用/3本 、EHL用/1本

● 自動洗浄器設置台数:2台

● スタッフ数:4名(うち内視鏡技師2名、助手2名

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