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認知症、とくにアルツハイマー病について

 

 当院の「脳神経内科」では、アルツハイマー病 や 脳血管性認知症 に代表される認知症を診断・治療することが出来ます。認知症とは、いったん正常に発達した知能が何らかの脳の損傷によって障害された状態です。物忘れを含むさまざまな知的能力の低下により、仕事や社会生活が徐々に困難となってきます。単なる物忘れ(いわゆる‘度忘れ’)とは違います。さらに中核症状である知能低下あるいは判断力や認知面の低下だけでなく、運動障害(動作が遅くなりこけやすくなるなど)、精神的もしくは行動面での乱れ(徘徊・不穏・易怒性もしくは不機嫌・幻覚・妄想・意欲低下・食欲低下もしくは過食など。これらを「周辺症状」と呼ぶ)など、生活する上でさまざまな問題が出ることもあります。

 最近では レビー小体型認知症 や 前頭側頭型認知症(代表的疾患が‘ピック病’) などのタイプも知られるようになり、診断基準も明確化してきました。これらは比較的若年でも起こることで注目を集めています。

 

○アルツハイマー病とは

 認知症の中では最も多く約半数を占め、日本のアルツハイマー病の患者は推定100万人。65歳以上の10人に1人、85歳以上では4人に1人が発症するといわれるほどで、特に高齢者に多い病気です。最近は64歳以下の若年性アルツハイマー病も注目を集めています。

 中核症状は近時記憶障害、つまりつい最近のことを忘れてしまうもので、多くの場合物忘れをしていること自体を自覚できなくなります。徐々に進行すると頻度や程度が悪化し、ついには5分前の出来事もすっかり忘れて指摘されても思い出せなくなります。それに比べて昔の記憶は比較的良好なのが特徴です。ほとんどの場合、病識が乏しいため自分から受診を考えるケースは少数です。通常、初期には動作は障害されません。

 そのほか、様々な程度に周辺症状を来たします。多いものでは易怒性、意欲低下、食欲の乱れ、妄想ないし思い込みの激しさ、などがあります。中核症状よりも周辺症状のほうが家族を悩ませることが少なくありません。

 

○早期受診の重要性

 認知症は決して特別な病気ではなく、長生きすれば誰でもかかる可能性がある病気です。しかし、初期には老化による全般的な知的機能低下との区別がつきにくく、また性格的な側面と思われて病気と認識されないまま進行してしまうことも少なくありません。

 多くの場合、初発症状は物忘れです。認知症の方は自分の物忘れに気がつかないことが多く、自発的に病院を受診されることが少ないのが現状です。早期発見、早期治療が重要になります。近親者の方がこれはおかしい、とお気づきになったら是非とも受診をお勧め頂きたいのです。

(家族が最初に気が付く日常の変化の例)

1,同じことを繰り返し言ったり質問したりする。

2,物の名前が出てこなくなった。

3,以前はあった関心や興味が失われた。

4,置き忘れやしまい忘れが目立つ。

5,今まで行っていた日課をしなくなる。

6,時間や場所の感覚が不確かになる。昼と夜を間違える。

7,服装がだらしなくなる、あるいは適切な服を選べなくなる。

8,計算の間違いが多くなる。

9,些細なことで怒りっぽくなった。

10,蛇口やガス栓の締め忘れが目立つ。

11,財布を盗まれた、という。

12,慣れているところで道に迷う。

13,複雑なテレビドラマを理解できない。

14,以前より疑い深くなった。

15,処方薬の管理が出来なくなった。

16,夜中に起き出して騒いだ。

17,いつも降りる駅なのに乗り過ごしてしまった。

 

○新しい診断システム VSRAD (ブイエスラド)

 当院では VSRAD というアルツハイマー病の画像診断システムの導入により、アルツハイマー病の早期診断をしやすくなりました。通常の頭部MRI撮影で、撮影時間を5分延長するだけで行えます。追加料金は不要です。早期診断、早期治療への支援として効果を発揮しています。上記の症状を参考に、最近気になる症状のある方はどうぞお勧めします。

VSRADについて;

「早期アルツハイマー型認知症診断システム」のことです。年齢を考慮に入れた、より厳密な海馬(記憶を担当する脳の部位)の萎縮を定量解析し、病気の初期段階とよくある‘度忘れ’を判別します。ただし、アルツハイマー病に限らず認知症は全て、検査のみで診断することは出来ません。近親者からの問診や診察などの臨床情報に基づき総合的に判断されるものです。VSRADはより厳密な早期診断を支援します。

 

○アルツハイマー病の予防、治療

 アルツハイマー病は非遺伝性の進行性疾患であり、まずは予防が重要になります。具体的には、よく頭と体を使い、社交すなわち人との交わりを持つことが大切です。趣味やレクリエーション活動に積極的に参加するようにしましょう。

 例え認知症と診断されたとしても、進行を予防するために同様に活動することで、初期であれば健常者とほとんど変わりない生活を送ることも可能です。病気を初期のまま留めることが重要ですが、中期以降であっても少しでも不自由な症状を減らすためには脳と体の活性化は重要です。

 内服薬の効果は個人差がありますが、アルツハイマー病と診断されたら少なくとも一度は服用する価値はあります。医師と相談してください。知的機能を大幅に改善するのは一般に困難ですが、大切なのは進行を遅らせることです。また、周辺症状には内服が割と有効な場合も多く、お困りでしたら医師と相談することをぜひお勧めします。

 平成233月からはアルツハイマー病の新薬が相次いで発売され、治療の選択肢が増えています。現行治療で満足が出来ない方には朗報です。

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